墓場の鬼太郎

水木しげるが亡くなった。
といっても、私はテレビの「ゲゲゲの鬼太郎」も見たことない(歌は知ってる)し、週刊誌に連載されていたらしいけど読んでない。ゲゲゲの女房も見ていない。
読んだのは古本屋で買った、たぶん貸本屋から流れてきたと思える分厚い(3センチくらいあったような)本で、そこに墓場の鬼太郎が載っていた。とても気味の悪い、悪夢めいた漫画だった。ネズミ男も寝子さんも、目玉のお父さんも、まじでぞっとした。線も、漫画っぽくないリアルなタッチで余計こわかったと思うけど、すごく昔だから記憶に自信がない。まちがってるかも。
いちばん怖かったのはトランク永井が木になってしまうところで、あの漫画で「オブジェ」という言葉を初めて知った。背景がほとんどない、真っ白で無音(という印象)の空間に「オブジェ」がでんと、在るのが怖かった。と思うけど、やっぱり自信がない。いま見たら全然違うかもしれないけど、もはや私の中では伝説となっているので訂正する気もない。

「伝説」というのは私ひとりにとってだけではなく、たぶんわれわれきょうだい全員にとって、だ。と思うけど、妹たちはどうかな。
当時は古本屋でだれかが漫画を買ってくると、みんなでむさぼるように読み、共有した。時には順番をめぐってきょうだいげんか勃発、耐えきれなくなった父親がキレて大声を出し修羅場に発展することもあった。時代だな。で、そんな時代を経て
「オブジェ」「寝子」「ネズミ男」。
後々まで(いや、いい年した今でも?)、何でもないときにきょうだいの誰かがぽろっとそんなことを言うと、くすっと笑ったり、ぷーっと吹き出したり。
まんがはたくさん読んだが水木しげるは強烈だった。それで、まあずっとそういう存在であったのだが、亡くなったのである。

写真は昨日の続きで、大丸。

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