分離派建築会100年

と題された展覧会に行ってきた。京都国立近代美術館へ。この付近はものすごく久しぶり。

私は京都観光とかに特に興味がなく、グルメとかショッピングも別に・・・という人間で、京都に行くときは大体展覧会を見に行くときだった。なので、京都と言えば岡崎公園で、市バスの「46系統、岡崎公園行きです。危険物の持ち込みはお断りします!」というアナウンスがたちまち脳内再生されるくらいなのだけど、その岡崎公園に長いこと行ってなかったように思う。なんせ、京近美というといまだに旧館を思い出すけど、今の新館って1986年にできたらしいやん! 全然最近でもなんでもないやん!

なんで行かなくなったのかと考えるに、多分、最近あまり見たい展覧会が京近美や京市美=今の京セラ美術館=ではなかった・・・ような・・・京博には何回か行ってるような気がするし・・・あと、京都が年々混雑がひどくなったからかなと思う。
その点、今はほどほどの人出で、いい感じだった。人が多いと頭バクハツしそうになるもんね。

で、分離派ですが。
この展覧会、意外と(?)面白かったです。
ああ、なんだ、あの建物も、この建物も分離派だったの?!みたいに、あまり知られてないけど実はすごく身近なテーマで、そして運動を青春群像っぽくとらえているところも楽しい。入り口で平日限定で配布されている「マンガで見る!分離派建築会 実録エピソード」という冊子があるのだが、これを前もってサイトでダウンロードして読んでいたせいもあるかも?

マンガの作者は分離派のメンバーの一人、山田守氏のお孫さんにあたるそうだが、まなざしがやさしいというか。絵柄もあたたかく、品良く、9人のメンバーをすごく魅力的に描き出している(下はその表紙)

今はなき四ツ橋の電気科学館や京都タワー、武道館。私でも行ったことある東京の隅田川にかかる永代橋や清洲橋、インスタでよく見る聖橋も、みんな分離派の作品なのだそうだ。昔のデパートの白木屋、昔の東京朝日新聞社も(あ、それで、朝日新聞が展覧会の共催?)。詩人の立原道造は東京帝大建築の出身で、大学卒業後に分離派のメンバー、石本喜久治の事務所に入った・・・なんてことも知らなかった。いろいろ興味深い。日頃、ちょっと変わった建物やレトロな建物なんかあるとつい写真を撮ってしまう私はわくわくしてしまった。やはり単に眺めるだけでなく、知識が増えると楽しみが増すってことだよね。

展示は主に写真や図面、模型など。
写真や本などの資料を大伸ばしにしてプリントしたものがいっぱい壁面にディスプレイされていたけど、あれは最近の流行りなのだな。この間行った高林和作展でも、作品のでっかいプリントがあって「プリント代、高そう・・・」と思ったもんだ。分厚い図録と別に薄い冊子を配布するのも共通だ。なるほどね。

展示室のエントランス部分だけ写真撮影可だった。というより、写真撮影用の空間なわけだ。特に説明もなく、各展示室の展示写真を抜粋しただけみたいな。(下)

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