風鈴

ぼーっとしていて、はっと、
「今日は夏越の大祓だ」と気がついた。
それで私にしては割と手早く支度をして、近くの神社に行ってきた。その神社では毎年大きな茅の輪を立てて、参詣のひとが左にぐるっと、右にぐるっとまわったりするんである。それはだいぶ前から知ってるけど、「ふーん」て感じで、自分で行こうとは思わなかった。なんで行こうという気になったのかなと思ったら・・・。

夏越の大祓のころはだいたい梅雨の真っ最中なのだ。写真をみても、たいていはどんよりした白っぽい雨空を背景とするものだ。
今年はなんと、もう梅雨が明けたとか。確かに梅雨明け直後のものすごい暑さだったが、あ、そうか。雨じゃないから行く気になったのか。

しかし、ほんとに、猛烈に暑かった。日傘からはみでた腕が痛い。地面からもわーっとした空気がのぼってくる。

かわいい風鈴が吊るされていて、風に吹かれてささやかな音を立てて鳴っていた。この風景がなかったら正気を保てなかったかもしれんと思う。まったくひどい暑さだった。

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