今日は「サウルの息子」を観てきた。
めっちゃしんどい映画だった。疲れたというか、こわかったというか、へろへろになって帰ってきた。
映画はアウシュビッツの実態を描いたもので、主人公のサウルはゾンダーコマンドの一人。ゾンダーコマンドというのは自分も収容されている身(ユダヤ人)でありながら死体処理なんかの仕事に従事している人たち。仕事をしてる間は殺されないけど、せいぜい数ヶ月の間だけ。「ゾンビ」とは関係ないと思うけど、なんだか名前を聞くだけで「ゾー」とするよね。しませんか。
で、この映画がなんだか特殊な作り方で、かなりの部分はサウルにぴたっと密着するように映されている。サウルの周囲はぼやけていて細かな状況はわからないものの、まるで自分がサウルと一緒にその場にいるような、いや自分がサウルであるような錯覚を覚える。臨場感でいうならこれほど臨場感のある作品も少ないと思う(「プライベート・ライアン」の冒頭はいい勝負かも)。そして、音楽がのんびり流れたりなんかしない。サウルの周りにあるのはは怒号、悲鳴、荷車のガラガラいう音など。これが割と大音量で。もう、冒頭の何分間かで逃げたくなった。だいたい、このテーマでハッピーエンドもありえないし、こりゃ困ったな、私、持たないわ・・・と思いつつ、なんとか耐えた・・・・。
力作であることは確かです。確かだけど、いまはストーリー甘々、きれいなものいっぱい映ってる映画が観たい。切に・・・。風邪、ぶり返しそうだ・・・。
あ、「サウルの息子」っていいタイトルですよね、うん。
写真はグランフロント。