レクシコグラファー

相変わらずばたばたと余裕のない日々を送っているが、やはり本はいいなと思った。単なる文字というなら毎日ネットでいやになるほど読んでいるが、読書というにはほど遠い。

今日読んだのは「三省堂国語辞典のひみつ」(飯間浩明)。実は図書館で借りて、うっかりして返却期限を過ぎてしまった(ここ、ないしょです!)ので大急ぎで読んだので、ほんとはもっとゆっくり読みたかったのだが、それでも十分おもしろかった。

三省堂国語辞典(略して「三国」)は「現代の日本語をできるだけ広く集めて載せる」ことを心がけているそうで、だから新しい言葉や用例がたくさん載っている。やばい、半端ない(90年代から用例があるそうだ)、「w」に「ふつう」の最近の使われ方、「調子こく」の「こく」まで。そのあたりに関するエピソードがおもしろく、何回も吹いた。

おもしろいなーと思いつつ、なのに文体はあくまでもていねいで知的で、淡々としている。おお、これだ。いかにも笑わせようというのでなく、それどころか真逆の雰囲気で、こっちが油断したすきにやられる。爆笑する。これが理想だなと思う。飯間氏、ただものではない。

でも、辞典をつくるのっておもしろいだろうな。辞典編集者をレクシコグラファー(lexicographer)というのだそうだ。ひとつ賢くなった。すぐ忘れそうだけど。

 

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