disられる朝ドラ

朝ドラの「ちむどんどん」がネットでむちゃくちゃdisられていて、Twitterでそれを読むたびほとんど感心して、もはや楽しみにしている私である。なんだそれ。

私は別に批判するほどでもなく、かといって賞賛する気もなく、え、いつものつまらない東京制作の朝ドラじゃない?と思うだけだ。主人公が明るく前向きで、地方出身だけど結局東京に出て行ってなんだかんだする、一極集中を煽るドラマだよね、という。何を今さら。まだ「エール」「なつぞら」「おかえりモネ」「まれ」よりましだろと。

「ちむ」がdisられるのは「カムカム」が評判良かったのでその反動もあると思う。「伏線回収」されないことに苛立つ声が多いのは「カムカム」の副作用かも。視聴者、気が短すぎ。始まってあっという間に「伏線回収」されたり(それはもはや伏線ではないのでは)謎が解き明かされたりするもんじゃないだろう。半年間のドラマなんだし。

もちろん、「カムカム」も面白かったけど不満足な点はある。「おいしいものを食べるときはみんな笑顔になる」とかいうセリフが何度も出てくるところとか。意地でも怖い顔して食べたるわ!という気持ちになったけど私がやらなくても「こわもての田中」がやってくれてたっけ。

でも、「ちむ」の時代考証が甘すぎるという声の中には「へー」「なるほど」と思えるものも多い。
新聞社編で「あの頃の職場にしては誰もタバコを吸わないのが不自然」とあったので、それは確かに!と思った。
かつてはどこの職場でもタバコの煙もうもうで、毎朝吸い殻の溜まったおっさんたちの灰皿を片付けて回るのが女たちの仕事だったりした。ひどい時代だ。一時期アルバイトしていた職場は「密」もいいとこで机をぎっしり詰めこみ、その人たちがモクモク煙吐くもんで、リースの観葉植物も枯れてしまい、業者が取り替えに来て「ここはタバコがひどい・・・」と小声でぼやいていた記憶がある。あれ?・・・私も「モクモク」してた一人だったっけ?

ジローラモ扮する料理人をインタビューするシーンで撮影係がやたらお手軽に撮影してるなとは思ったが、目ざとく機種を特定、「昭和48年の一流紙の新聞記者が取材にアサヒペンタックスSP使うか? ニコンFかF2ぐらい用意したれよ」とあったので「ほ〜」と思った。しかも、フィルムを入れずに巻き上げるポーズをしてたことも分かったようなので、カメラファンさすがや。

あと、何度も問題視されているのが「借金はどうなったんだ」「借金があるのに、この家族の考えはおかしい」というもので、確かにちょっと甘いかなと思うことはあるけど、あまりにもこの問題がしつこく言われるので、だんだんと、これって生活保護受給者に厳しい風潮と同じじゃないか思えるようになってきた。貧乏人は貧乏人らしくしてろよ、みたいな・・・。

この当時は高度成長の時代だ。物価も上がったけど、給料もどんどん上がって、今後も上がると思えたから「庶民でも頭金だけ用意すれば借金しても家が買える。月々の返済はどんどん楽になるから」とみんな考えるようになってきた時代。預貯金の利率も良かったし、今より社会全般が楽観的で明るかった時代。そして、今よりは気軽に、(沖縄でなくても)お金を融通し合えた時代だったんじゃないかな・・・借金しても後々なんとかなった時代なんじゃないかな・・・と思う。そういったことは親から聞いた話でうかがい知ることができて、推測してるだけで、私は家計を管理する立場でなかったから詳しくはわからないけど。

まあ、もっと気楽に見ればいいんじゃないかな?

写真は母校の庭にあったユーカリの木。葉っぱが丸くてきれいな色(銀色っぽい)で、なんの木かと思ったらどうもユーカリらしい。ユーカリにはとてもたくさんの種類があって、コアラの好きなのはもっと細長い葉のユーカリらしいんだけどね。

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