半年ほど前の雑誌を整理しようと、ぱらぱらめくってると堀本裕樹さんの俳句が目に入った。
濡れ衣を着せられしまま秋の蜘蛛
本文に「──けれども、蜘蛛というのは、どこか無実の罪を背負わされているような暗い気配を引きずっている。秋になると、ことにその暗影が増すようだ。」とある。
おお〜〜〜〜。
今朝の新聞ではまた、山本一力氏が中学生の時に新聞配達をしたときのことを書いた文章で「──冬場の氷雨は、軍手を突き破って指に噛みついてきた。」という2行に「うおおお」と思った。
ストーリーを組み立てるだけでなく、意味が伝わるように書くだけでなく、言葉を自在に操って思いもかけないきらきらしたものに変えていくことができる人が、世の中にはいる。凡人の私はただ圧倒されるばかりである。
話変わって、写真は昨日撮ったものだが、これ、何の木かなあ。
ひらひらしたもの一枚一枚に種がついてるようなんですが(ずいぶん高いところの枝なので望遠で撮ったけどこれが精いっぱい)。